公的バンクと民間バンクの違い

公的バンクは、日本さい帯血バンクネットワークに加盟する全国11のさいたい血バンクで、白血病などの移植治療に使うために無償で提供されたさいたい血を保管しています。

さいたい血のなかの細胞の数が基準より少ないときは、そのさいたい血が、移植治療用ではなく再生医療の研究用に使われることもあります。

公的バンクにさいたい血を提供する場合には、提供者側に費用はいっさいかかりませんが、さいたい血の所有権は放棄することになります。

万が一、さいたい血が治療に役立つような病気になっても、自分のものを使うことはできません。
けれど現在、公的バンクに全国で2万検体以上のさいたい血が保管されており、これだけあれば誰でもHLA型のほぼ合うさいたい血が見つかるはずだとされています。
自分のものでなくても、ほかの人のものが使えるということです。

一方、民間さいたい血バンクは、赤ちゃん本人が将来病気になったときに備えて、費用自己負担でさいたい血を保管するものです。

現在、日本には、さいたい血の保存事業を行っている企業が3社あります。
このようなさいたい血バンクは、アメリカ、ヨーロッパ、韓国、シンガポールなどにもあり、世界中に100杜以上の民間さいたい血バンクが存在しています。

アメリカや韓国では、赤ちゃん本人のためにさいたい血を保存することがかなり一般的なことになってきているそうです。
将来の本人の病気に備えて保存することが合理的かどうかは、白血病などの病気になる危険性をどうとらえるかや、まだ実現していない再生医療の可能性をどう考えるかによって、判断が異なるでしょう。

生まれた赤ちゃんが死ぬまでの間に白血病になる確率は10万分の8くらい、現在の医療で造血幹細胞が治療に使われているほかの病気も合わせると発病する確率は大ざっぱに見積もって1万分の1くらいということです。
仮にそうした病気になったとしても、抗がん剤だけで治るかもしれないし、自分のものよりほかの人の造血幹細胞を移植したほうが治療効果は高いと判断される場合もあります。

ですから保存した自分のさいたい血を治療に使う確率は、病気になる確率よりもっと低いことになります。この確率と費用対効果をどうとらえるかは人それぞれでしょう。

世の中には、10人に1人がかかるといわれても自分は大丈夫と思う人もいれば、100万人に1人がかかるといわれても発病を心配する人もいます。
どんなに低い確率でも重い血液の病気になっている人は実際にいるわけですから、それに備えて一生に一度きりのチャンスを利用して、もしかしたら治療に使えるかもしれないさいたい血を保存しておきたい人がいても不思議ではありません。

自分の赤ちゃんのためにさいたい血の保存をする人のなかには、現在研究が進んでいる再生医療の実現に期待して、将来、いろいろな治療に使えるだろうと考えて保管している人もいます。しかし、さいたい血を使う再生医療の可能性は未知数です。
10年後、あるいは赤ちゃんが大人になったころ、さいたい血を利用した再生医療がどこまで進んでいるかは誰も予想できません。

現時点で可能な治療法と、まだ現実になっていない利用方法を混同することなく、冷静に判断してください。

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